錬金術とは卑金属から貴金属を作り出そうと試みた術。特に「金」を生み出すことを目的に金属に限らず人間の肉体、魂からも精製しようと試みました。
錬金術の真髄は「賢者の石」を作ることです。
「哲学の石」とも言われる賢者の石は金属を金に変え人間を不老不死にする究極の技法となります。錬金術師は神が創造した世界の過程を意図的に再現することでした。
完全なるものへの挑戦が錬金術で物質を始め魂を完全にすることで神に近づくことを試みていたのです。
錬金術で黒は富と財産、白は不老不死と永遠、赤は神との同化とされています。
錬金術の思想は古代エジプト文明まで起源が遡ります。錬金術からは硫酸・硝酸・塩酸などの科学薬品も数多く発見されており現代科学に大きく貢献と影響を齎しました。
16世紀に発展した錬金術は自然の解明から自然科学を生み出し中世ヨーロッパでは盛んに行われました。非キリスト行動である魔術や神秘主義への弾圧から逃れるため多くの魔術師が隠れ蓑に錬金術師を名乗り金を生み出す技術の推進として権力者から保護される者へとなりましたが錬金術で金の暴落を恐れた権力者は錬金術師を弾圧始めヨーロッパからは消える運命を辿ります。その後、イスラム世界から再導入されました。
「万有引力」の発見者、ニュートンも錬金術には膨大な研究書を残しています。水銀の発見に貢献したニュートンは類まれぬ追究心での功績と反キリストの側面を持ち、最後の魔術師、錬金術師と後に経済学者ケインズは評しています。
現代では錬金術は否定されていますが自然科学の基礎は「錬金術」と誰も疑うことは出来ないでしょう。錬金術の論理では既に金を作ることは可能とも言われています。壮大な錬金術の技術、思想は近代西洋魔術の秘儀を高めることになりました。
中世ヨーロッパで普及した古代魔術が記された著書。魔術書、奥義書、魔導書とも言います。天使、精霊、悪魔を呼び出して願望を叶える手順が記されております。「ソロモンの鍵」を始め「ソロモンの小さな鍵」などを集約したレメトゲンなどは有名なグリモワール書となります。
グリモワールの内容は神霊魔術、降霊術に関しての文献です。儀式、呪文、呪具、護符の作成方法が記されており内容は神鬼学(悪魔学)に通じるものが多く古代呪術や古代魔術の行い方を説明した指南書です。魔術作法の基本として近代魔術の基礎となっております。爆発的な普及は中世ヨーロッパとなりますが17世紀以前より信仰と崇拝に基づいた実践は行われており古代グリモワール、近代グリモワールと分けた考え方も御座います。
20世紀に入ってからのグリモワールは「影の書」などの影響からウイッカよりペイガニズムが一般的となりました。ペイガニズムとは自然崇拝、多神的信仰のことでキリスト教以前の神々も含まれます。特に女神崇拝の復活が大きな特徴でしょう。
ウイッカとは元々は魔術師を意味しますが現代英訳で「魔女」とされました。日本では魔女が有名となり魔女の宗教などとも言われることも御座います。ペイガニズムは善を目的とした建設的な考え方で行われますのでグリモワールを基盤とする黒魔術ではペイガニズムの思想は認めない傾向が御座います。
※グリモワールとはフランス語で魔術書を意味致します。
19世紀に誕生した思想哲学の体系。秘密主義、秘教、密教を中心とした全ての宗教、思想、哲学、芸術などの普遍的真理を追求する組織として誕生しました。
見える見えないに関係なく全宇宙の源は絶対的な至高の神霊や無限の霊力の存在があり人智では計り知れない。
普遍的な魂の放射である人間は至高の神霊と本質を共有している為、初めから永遠で不滅である。
神聖な仕事を通して神々の働きを実現させる。
3つの基本思想を前提とした伝説、秘儀、密教とあらゆる分野を分析しておりました。神智学はカバラで説かれる「エーテル体」について詳しく調べる学会的存在でした。エーテル体とは濃密な肉体のことで魂の体、創造主の息とされています。初期の霊的世界においては蛇として象徴されました。光を伝達する媒質とも説かれ現代は人間の「オーラ」・「気」と一般的な解釈になっています。
オーラを強化することにより人の体はアトラス体と言う特殊な体になります。アトラス体に強化された人体は心霊現象、霊媒などを発揮する宇宙のエネルギーを自在に操れる肉体を形成し様々な奇跡を引き起こせると考えられています。
古代魔術師はアトラス体の強い者が天使、悪魔などを呼び出し呪術を行っていたとも言えます。アトラス体が存在する領域をグラマーの界と言います。グラマーとは、幻惑であり人間を感情的、欲望的な行動に走らせると言われています。
神智学はロシア帝国時代、ブラッキー夫人が設立。現在は人智学や神智学協会として活動を行っております。