薔薇十字団とは中世から存在が指摘されている秘密結社の一つです。17世紀初頭、ヨーロッパで広く伝わりました。
薔薇十字団の伝説は、神聖ローマ帝国、現ドイツで刊行された怪文書から始まりました。「全世界の普遍的かつ総体的改革」と友愛団の名声で当時のヨーロッパに知れ渡ることになります。
バラは、イングランド王家を指しハプスブルク皇帝家からの救世主として大陸諸小国の願望があったとも言われています。カバラ学者や錬金術師などが諸国を周り情報交換や知識の伝達交換などの意味合いを持っていたと言われる情報伝達機関または団体とされる薔薇十字団は、錬金術や魔術などの古代英知を屈して人の世を助けると伝えられました。
薔薇十字団の活動は秘密に行われ、存在自体が不明であったため、やがて伝説化され薇十字団伝説が生まれます。本家の薔薇十字団は諸説囁かれ、その後に様々な人が薔薇十字団を名乗る様になり、庶民を困惑させることになりました。
現在でも南ドイツでは薔薇十字団の活動は、本家を独立した形でキリスト教のミサや礼拝で独自の活動を行っています。薔薇十字団の伝説は当時、強権に支配された庶民の心の叫びより生まれたのかもしれません。

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